不動産・保険・建築・士業…各業界の視点で読む、相続のリアルとビジネスの可能性
相続実務コラム

なぜ今、相続コンサルが本業強化に役立つのか

2025.05.13

相続に関する話題は、思った以上に身近にあります。

にもかかわらず、多くの業種がそのチャンスを見過ごしてしまっています。

相談の最初に対応できる体制さえ整えておけば、本業につながる案件を、もっと自然に受け取れるのです。

たとえば、不動産を相続したものの、住む予定のない実家をどうするか——。

売却か、賃貸か、空き家管理か。こうした相談は年々増えています。

不動産業の方であれば、本来こうしたタイミングで相談を受けるのが理想です。ところが、実際には「誰に相談すればいいか分からない」という理由で、別の窓口に先に話がいってしまうケースも多いのです。

保険代理店でも同様です。相続税の納税資金や、生前贈与対策、次世代の保障設計。

これらは保険と非常に相性の良いテーマです。しかし、保険を提案する以前に、顧客が自分の資産や家族の事情を整理できていなければ、具体的な話には進めません。

ここに、相続コンサルの存在意義があります。

相続コンサルタントとして相談を受けると、顧客の資産の全体像が見えてきます。

現預金や不動産の内容、家族関係、今後の希望。そうした情報が整理されて初めて、保険も不動産も建築も「納得感のある提案」ができるようになります。

しかも、お客様からすると「売り込み」ではなく「相談の延長」であるため、話を素直に聞いてもらいやすいのです。

建築業でも、相続のタイミングでリフォームや建て替えの需要が生まれることがあります。

たとえば、親世代が住んでいた家を二世帯住宅に変えるケースや、資産活用として賃貸住宅に建て替える提案など。こうした話も、相続の初期段階から関わっていれば、提案のタイミングを逃しません。

要するに、相続に関する最初の相談に応じられる体制があるかどうかで、本業のチャンスが変わってくるということです。

対応できなければ、顧客は別の誰かに相談し、そのまま次の提案も含めて進んでいってしまいます。

だからこそ、自社の中に相続の話を受け止められる人材を用意しておく。

それが、これからの時代に本業を強化するための現実的なアプローチです。

【コラム著者のご紹介】

岡山生まれ。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 現在は、年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 年間100回程度のセミナー講演を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。 この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。2025年には自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。 FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。 (成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回)

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