不動産・保険・建築・士業…各業界の視点で読む、相続のリアルとビジネスの可能性
相続実務コラム

【失業します】AIに仕事を奪われる士業、奪われない相続コンサルタント


■質問者
生成AIの普及によって士業などの専門職の仕事は将来なくなってしまうのでしょうか?

■すぎむら先生
AIの進化は目覚ましいものがありますが
私はこれをスマホやパソコンと同様のツールだと捉えています。

かつてワードやエクセルが普及した時のように
AIを使いこなすことで業務効率や生産性は飛躍的に向上します。

一方でAIに代替され依頼する必要がなくなる業務も当然出てくるでしょう。
例えば弁護士によるリーガルチェックなどはAIでかなりの部分が対応可能になります。

法律や判例はインターネット上に公開されており
過去の膨大なデータから根拠のある回答を導き出せるからです。

特に頻繁に起きる事故などの定型的な事例については
AIが根拠を添えて即座に回答できるようになります。

税務に関しても特定の情報を絞り込んで学習させれば高度な専門回答を得ることが可能です。

最近では特定の資料を読み込ませて精度を高めるツールもあり
税法の通達などを学習させることで的確な回答が得られます。
そうなれば税理士や国税庁の窓口に問い合わせる必要性も薄れていくでしょう。

司法書士の業務についても公正証書の作成などがオンラインで完結する仕組みが整いつつあります。
昨年から電子署名が始まり今後は公証役場へ行かずに遺言書を作成できる時代になるはずです。
登記手続きもオンライン化が進んでおりマニュアル化できるような定型作業を依頼する必要はなくなります。

このようにAIの進化によって依頼しなければならない仕事は全業種において減少していくでしょう。
特に士業の方々は強い危機感を持って変化に対応していく必要があります。

ただし仕事が完全になくなるわけではなくAIにはできない領域が必ず残ります。
また現在はAIを使いこなせない方の方が多いため自身の生産性を高めることで
短期的には多くの案件をこなせるチャンスでもあります。

一人ひとりの生産性を高めることができれば一定期間はむしろプラスに働くと考えています。
しかし長期的には定型業務は消滅するためマニュアル化できない専門性を磨くことが不可欠です。

■質問者
具体的に相続コンサルタントなどはAI時代でも残る仕事なのでしょうか?

■すぎむら先生
相続コンサルタントは将来も価値が残り続ける仕事だと考えています。
相談者の話を丁寧にヒアリングし潜在的な問題を具体化する作業はAIには困難だからです。

相談者自身も何が問題で将来どうしたいのかを明確に理解できていないケースが多々あります。
本人が気づいていない課題を掘り起こし将来の意向に沿った対策を提案することは人間にしかできません。

効率化や生産性向上はツールの役割ですが相手に寄り添いカウンセリングを行うことこそが価値となります。
人はその価値に対して対価を支払うのです。

AIは発信された情報に対しては優秀ですが
「何を発信すべきか」が分からない人を導くことはできません。

複雑な状況を紐解き進むべき方向を先導していく役割はこれからも重要であり続けます。
私はこうした役割を相続コンサルタントと呼んでいます。

【コラム著者のご紹介】

岡山生まれ。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 現在は、年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 年間100回程度のセミナー講演を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。 この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。2025年には自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。 FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。 (成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回)

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