相続コンサルタントとは何か?相談者に信頼される条件

相続コンサルとは複雑な課題を可視化し適切な専門家と連携し、
総合的な問題解決へと導く最初の窓口という位置づけです。
役割としては、最初に来られる相談者の方々はそもそも現状がわかっていません。
自分たちのことがわかっていません。
皆さんが契約している保険の保険金は、
自分が死んだ時に誰に何%ずつ受け取られるか、
また生前に給付される介護保障や三大疾病、医療保険やがんなどいろいろあります。
この生前給付型のものは、自分が認知症になり介護状態になった時に自分で請求できません。
では誰が請求するのかというと、代理請求人という人をつけられるのです。
自分の保険の代理請求人が誰なのか、おそらく知らないと思います。

それは20年から30年前に加入したものをずっと続けているうちに忘れていくものです。
そういったものが資産の中には山のようにあります。
まずは自分たちのことをわからないといけません。
そこで誰がそれを教えてくれるのかという話です。
それは士業の先生方なのでしょうか。
なんとなくそういうサービスがあるのでしょうか。
それはありません。
今まで私がたまたまサービスとして提供していましたが、それが必要だと思ったからです。
何かの対策を推奨するにも自信を持って言うためには、
その人のことをしっかりわかっていないと言えないはずです。
例えば昭和や平成の時代なら、新商品が出たので
「あなたに絶対良いですよ」と言えば売れた時代だと思います。
しかし今はそうではありません。
皆知識があり情報を得ることができるので、
自分のこととして認識し問題もわかった上で
「こうしたい」となった時に我々が提案すると一番響きます。

しかし自分のことがわかっていない以上基準がなく、
その基準がないと私たちも提案ができません。
ではどうするかというと、それをちゃんと聞き取りをする窓口が必要です。
相続の分野において、これが相続コンサルタントだと思います。
相続コンサルタントの役割は相談者の声を聞き、
状況を整理し解決まで一緒に完走することです。
何が問題かわからず、何を相談すればいいかわからない、漠然とした不安を抱えています。
そうした状況で相続コンサルタントが丁寧にヒアリングを行い、
複雑な親族構成や資産状況、思いなどを見える化していきながら、
解決への道筋を一緒にデザインして先導していきます。
こういう役割があります。
これは士業のような専門家というイメージではありません。
まずその人のことを深く知って教えてあげる専門の立場です。
どちらかというと資産の専門です。

資産のことがわからないと、
「今あなたはこういう資産を持っていますよ」
「税務上の評価額はこれくらいで時価額はこれくらいです」
「今の契約内容はこうなっていますよ」
こういったことを言えるように、皆さんにはこれから経験を積んでいっていただきたいと思います。
とにかくそういう役割があり、
それは士業の人たちのサービスには含まれていません。
しかしそれをきちんとやらないと対策提案は絶対にできず、
腑に落ちないため決断もできず相続対策は進みません。
そうすると我々がマネタイズをしたいゴール、
不動産の売買や保険の提案、建築など本業がありますが、
本業につなげるにはそういう道のりで評価を得る必要があります。
【コラム著者のご紹介】
岡山生まれ。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 現在は、年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 年間100回程度のセミナー講演を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。 この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。2025年には自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。 FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。 (成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回)
