これからの工務店は営業しない!相続相談から始まる新たな受注戦略<第4回>「空き家、未登記、共有名義」
出典:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合「マンスリーレポート」2025年12月号
<第4回>空き家、未登記、共有名義
▼相続がらみの不動産トラブルに建築業者ができること
相続に伴う住宅相談で多いのが、実家の空き家問題です。介護や施設入所、入院、親族が遠方に住んでいるなどの事情で、空き家が放置されるケースは年々増加しています。2023年時点で全国の空き家は約900万戸に達し、住宅総数に占める空き家率は13.8%と過去最高を更新しています。(※1 総務省「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)」より)
このほか、権利関係に起因する不動産トラブルは少なくありません。たとえば、建物が未登記のままになっている、増改築後に登記変更をしていない、古い抵当権が残っているといったケースです。こうした状態では、売却や解体、再建築といった活用が制限され、対応が難しくなります。
共有名義の建物や土地もやっかいです。複数の相続人間で解体や売却、修繕の判断に合意が得られず、話がまとまらないまま時間だけが過ぎてしまうケースもあります。
こうした場面で重要なのは、いきなり法律や手続きの話をするのではなく、「まずは状況を見てアドバイスしてくれる人」が身近にいることです。
建築業者がその最初の相談先になれれば、お客様は安心して話ができます。「現在このような状況です。」「今後このような問題がありそうですが、どう思いますか」「ではこうしていった方が良いですね」という具合に現状を整理してあげるだけでも信頼が生まれ、結果として工事や手続きの依頼につながります。相続相談は多岐にわたりますが、まずは一歩踏み込んでお客様の不安に寄り添うことが、ビジネスチャンスを広げる第一歩です。
次回は「家を残したい」というご希望に応え、耐震・バリアフリー・リフォームなどの提案ができる切り口をご紹介できればと思います。
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