おひとりさま相続 死後事務委任という新市場
■質問者
すぎむら先生、単身の高齢者(おひとり様)の相続などの市場がめちゃめちゃ増えているということだったんですけども、
現場の体感としても増えているんですか?
■すぎむら先生
そうですね。
過去に離婚率が上がった時期があって、それ以降も高い水準が維持されています。
今は男女ともに働いて自立して生活できる時代ですし、結婚にとらわれず自分の趣味や生き方を自由に選択できるようになりました。
そういった社会的背景もあって、身近な家族を持たない方が増えていると感じますね。
実際、我々が日々相続相談を受ける中でも、親族構成を聞くと「子どもがいないおじさん・おばさんがいる」というケースが非常に多いです。
親族の中に何人もいらっしゃるような状態になっています。
■質問者
子どもがいないと、最終的には一人になってしまいますもんね。
■すぎむら先生
そうなんです。
親族がいても遠方に住んでいて頼れなかったり、関係が疎遠だったりすると、
最終的には「おひとり様」として生活することになります。
そういった方々が抱えている現実的な問題に寄り添って解決してあげることは、
お互いにとって大きな価値を生むビジネスになります。
■質問者
おひとり様には具体的にどういった問題が生じてくるんですか?
■すぎむら先生
大きく分けると「生前の問題」と「死後の問題」の2つがあります。
まず生前ですが、高齢になって体が弱ってくると、日々の買い物や病院への送迎といった生活・介護のサポートが必要になってきます。
介護保険の申請やケアマネジャーさん、施設との連携など、身近に寄り添える人が絶対に必要です。
さらに、認知症などで判断能力(意思能力)が低下すると財産が凍結してしまいますから、事前に財産管理の対策をしておく必要があります。
■質問者
施設に入居する時なども困りそうですね。
■すぎむら先生
まさにそこで直面するのが「身元保証人」の問題です。
最近の介護施設や病院では入居・入院の際に身元保証人を求められますが、
頼れる親族がいない場合は我々のような専門家が身元保証を引き受けることになります。
■質問者
身元保証を引き受けるとなると、具体的にどんな業務が発生するんですか?
■すぎむら先生
単に名前を貸すだけではなく、最期まで見届ける「フルパッケージ」の責任が生じます。
1. 生前のサポート
生活・介護・療養のお世話、ケアマネジャーさんとの連携、財産管理の代理、施設の入居手続きなど。
2. 亡くなった直後のサポート(死後事務)
お葬式や火葬、納骨の手配、施設代や医療費の清算、住んでいた部屋や遺品の整理・処分、賃貸契約の解約など。
3. 残された財産の整理(遺言の執行)
遺言書に基づき、遺産を整理して指定の宛先へ届ける手続き。
■質問者
まさに生前から死後まで、人生の最後のすべてをサポートする仕事なんですね。
■すぎむら先生
そうなんです。
ご自宅があれば解体や売却の手続きも必要ですし、やることが多岐にわたるので責任は非常に重いです。
ですが、おひとり様本人からすれば「この人に全部託せば安心だ」と心から信頼して任せていただけるわけです。
頼りにされて人の役に立ち、対価としてもしっかりとビジネスが成り立つ。
これは相続コンサルタントという仕事の大きな魅力であり、やりがいだと思います。
これからさらにおひとり様が増えていく時代の中で、非常に需要が高くポジティブな事業領域になっていくはずですよ。

岡山生まれ。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 現在は、年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 年間100回程度のセミナー講演を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。 この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。2025年には自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。 FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。 (成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回)
