不動産・保険・建築・士業…各業界の視点で読む、相続のリアルとビジネスの可能性
相続実務コラム

相続コンサルタントとしての集客方法


■質問者
すぎむら先生!
相続コンサルはビジネスとして非常に熱いということで、
相続コンサルタントになりたいと思っています。

そこからどう集客したらいいのでしょうか。
相続に困っている人や相続税対策をしたい人をどこから集客したらいいですか。

■すぎむら先生
皆さん集客に悩み、広告費をかけてなんとか相談に直接来てもらおうと思いがちです。
集客をする時にホームページを作り、
しっかりお金をかけて良いページを作って見てもらって集客しようと考えがちではないですか。

しかしそういう集客の方法は、私が10年以上やっている経験から言うと
ホームページからの問い合わせは非常に少ないです。

なぜかというと、相続の相談に来る人は自分が相談したいと思った時に
まず誰に相談に行くか考えたら、非常に知識がある人というわけではなく、
身近に世間話レベルで声をかけられる人に世間話として話していると思います。

そういう世間話をされる人から紹介をもらう。
そういう立ち位置にならないと相談はもらえません。
だからお金をかければ集客できるわけでもないのです。

つまりそういう人たちとの信頼関係を
しっかり構築することが集客につながっていくのでしょう。

世間話的に相談を受けてくれるような人から信用をもらっているかどうかです。
信用があるから世間話をされている人たちから
「ここに相続コンサルタントの杉村がいる」と伝えてもらえるかどうかが重要です。

つまり相続相談は必ず間に間接的に信頼関係があるということです。

相続のことは詳しくないし自分ではやっていない、
だけど相談されるという人たちから
情報発信してもらえるかどうかだと思います。

■質問者
身近なところが一番集客になるということですか。

■すぎむら先生
その通りです。
ただ身近で世間話的に相続の相談をされる人は、当然信頼があるから
「あそこに杉村という相続コンサルタントがいる」と紹介してくれるわけです。

つまりその人との信頼関係を作るためには実績も経験値も必要で、
その人が困っていることを助けられる人でなければ紹介されないわけです。

仕事に取り組む姿勢や基礎知識、実務での成功や失敗を話せる経験値、
そういうものを提供できる人になる必要があります。

ではそれがない時にどう集客するか、経験を積むためにどうするかというと、
やはり見せられないとダメだと思います。
つまりブランディングです。

「あの人はよく知っている人だ」とか、
実態は知らなくても「あの人はできる人だ」とか、
そういうイメージが非常に大事な分野です。

質問や相談をされる人になるために、
それを見せられるようにしないといけません。

例えば簡単なことで言えば、
「あの人が相続コンサルタントだ」とわからなければ当然相談は来ません。

だから名刺に「相続コンサルタント」と入れる、これも一つの見せ方です。
ホームページも集客ではなく見せ方として必要です。

それからSNSで情報を発信していることや、
セミナーや勉強会を開催していることです。

ちゃんと話せるし内容もきちんとしているから、
「あの人は信用できる」と思ってもらえないと結果的に集客はできません。

ではセミナーにどうやって人を集めるかという集客はまた別の視点で考えなければなりません。
それはやはり話題性です。

例えば去年で言うと相続登記の義務化が始まりました。
このような制度の改正は皆が興味を持ちます。
それを教えますというのは一つの集客の入り口です。

勉強会をエンターテイメントとして表現できれば、
「あの人は信用できる」「頼れそうだ」と見せられます。

そうすればその人は世間話で相談される人かもしれません。
「この人がこの間セミナーをしていた杉村だ」と言ってくれるかもしれない。
集客とはこういう連鎖だと思います。

だから一概に広告を打って相談者を集めても、成約できる確率は非常に低いと思います。
そこまで戦略的に目指す姿勢で取り組まないと、相続コンサルタントとして集客はできません。

■質問者
広告で集客するよりも、信頼や情報発信の方が
長期的に見て集客につながるということですね。

■すぎむら先生
その通りです。
実績で言えばそれが全てですが、私のところでも95%以上は紹介です。
今では月に30件から50件ほど、専門家や業者の方々から相談があります。
一般のお客様からはセミナー経由で相談を受けます。

簡単な相談から重い相談まで様々ありますが、
これだけ相談を受けられるのに広告費はかかっていません。

結果的にそういうことなのだと思います。
それをちゃんと目指してもらう方が良いでしょう。

【コラム著者のご紹介】

岡山生まれ。26歳で生損保の保険代理店「デザインライフ」を設立し、その後相続に関することで悩み苦しむ人を救うべく2015年から相続コンサルタント事業開始。 現在は、年間約500件の相続相談に対応し、遺言・信託などの法律文書の組成、税申告・登記などの相続手続きをはじめ、保険・不動産・建築など、資産に関わる問題の解決、見直し、活用、運用など、幅広くアドバイスと対策支援を行い、部分的解決ではなく総合的解決へと導く、相続・事業承継に特化したコンサルタントとして活動。年間10億円以上の資産を動かす相続・事業承継対策に携わる。 年間100回程度のセミナー講演を行っており、一般向け相続セミナーのほか、相続コンサルタント養成講座を開講。全国の相続に関わる専門家の教育に携わっている。 この他、日本赤十字社、大和リビング、メットライフ生命、オリックス生命、損保ジャパンひまわり生命等、講演実績多数。実績が評価され2024年には新築戸建賃貸投資に関する全国フランチャイズの研修講師として事業参画。2025年には自身が行う相続コンサル事業をフランチャイズ化。 FC本部として自社だけでなく全国の加盟店に所属する相続コンサルタントを育成し、並走して実務支援することで全国の相続相談に対応している。 趣味は、家族旅行とフットサル。2007年に自身が発足した岡山県リーグ所属フットサルチームのスポンサーとして支援している。 (成績:県リーグ優勝数回、岡山県選手権予選優勝1回)

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